絵チャに入れてもらって思い出したこと
2020年12月30日 日常
明日出かけるのであまり遅くまで起きているのもまずいが、残しておきたいので書いておく。
小学生の頃、授業では図工の時間が一番好きだった。
絵を描くのも、物を作るのも大好きだった。どちらかというと工作の方に熱心であったが。
ともかく、自分の思い通りに筆を走らせたり、物を組み立てては、完成品を親や祖父母に見せては感想をもらうのを楽しんでいた。
それが中学に入り、一変した。
他の子の目が気になる。他の子の作品が気になる。世界には自分の作る物よりはるかに優れたものがごまんとある。
なら何故わざわざ劣化版でしかない物を生み出さなければならないのか?他者に見せなければならないのか?
描き始めてすらない時点から強烈に感じる劣等感。無力感。
そうなってからは、美術の時間は地獄だった。
何も描けない。描こうと筆は持つが、どのような色を用意しようが、どう紙に筆を置こうが、間違っている気がして実行できない。作品の正解なんてあるはずもないのに……
筆を持ち、紙を睨み続けては首をかしげるだけで1時間を耐える。まさに地獄。
あれほど好きだった絵が、苦痛でしかなくなってしまった。
当然美術の成績は不登校児を除くと最下位。中2の1学期か2学期にはついに5段階評価で1をつけられた。
美術の先生はあきれていた。「ちゃんと登校してる子に1なんて初めて付けたわ」
高校でも美術の授業はあったが、まあ、似たようなものだった。
相変わらず、何も描けなかった。
美術の成績は学年最下位。当然の結果である。
そんなわけで、なんとか高校を卒業し就職した俺は、二度と絵を描くことはないだろうなと漠然と思っていた。
月日は流れ昨日の晩。ゲーム友達と話の流れで絵チャをすることになった。
インターネットブラウザ上の1枚のキャンバスに、参加者が思い思いに絵を描いて楽しむというものだ。
流れとはいえせっかく参加するんだからと、描いてみることにした。
とはいえやはり白のキャンバスに何でも描けというのは無理だったので、みんなが鬼滅の刃の登場人物を描いていたのもあり、診断メーカーに鬼滅のお題を出してもらい、その人物を描くことにした。甘露寺蜜璃ちゃんが出た。
google画像検索で公式画像を適当に漁り、目に留まった蜜璃ちゃんを模写し始めた。
おしゃべりしながら、カタツムリが歩くような遅さで描いていく。
周りのみんなはものすごいスピードで素晴らしい絵を仕上げていく。
でも、不思議と劣等感やらの不快な感情はなかった。
素晴らしい絵を眺めてはしゃぎながら、自分の絵を少しずつ描いていく。
これどう描いたらええんや!などと騒ぎ立ててはテクニックを教えてもらい、少しずつ少しずつ描いていく。
気が付けばそんな感じで2時間ほど描いていた。
楽しかった。とても。
1時には寝ると言いながら、アラームを止めてそのまま描き続けていた。
結局顔の一部しか描けず、出来もお世辞にも良いと言えない物ではあったけれど。
思い返せば非常に楽しく、真剣に描いていた。
「一生で一番真剣に描いたわ」
もう二度とちゃんと絵を描くことはないんだろうと諦めていたのに、思いがけずこのような機会に巡り合い、子供のころの感情を少し思い出せた。
絵を描くのは、楽しい。
これから絵を描く機会があるかは分からないけれど、今日感じた楽しさを、今度こそ忘れずにいたいと思う。
最後になるが、素晴らしい機会を与えてくれた友人各位には心より感謝を。
※画像右上の蜜璃ちゃんと思しきピンクがぽこ作です。アレなので見なかったことにしてください。
小学生の頃、授業では図工の時間が一番好きだった。
絵を描くのも、物を作るのも大好きだった。どちらかというと工作の方に熱心であったが。
ともかく、自分の思い通りに筆を走らせたり、物を組み立てては、完成品を親や祖父母に見せては感想をもらうのを楽しんでいた。
それが中学に入り、一変した。
他の子の目が気になる。他の子の作品が気になる。世界には自分の作る物よりはるかに優れたものがごまんとある。
なら何故わざわざ劣化版でしかない物を生み出さなければならないのか?他者に見せなければならないのか?
描き始めてすらない時点から強烈に感じる劣等感。無力感。
そうなってからは、美術の時間は地獄だった。
何も描けない。描こうと筆は持つが、どのような色を用意しようが、どう紙に筆を置こうが、間違っている気がして実行できない。作品の正解なんてあるはずもないのに……
筆を持ち、紙を睨み続けては首をかしげるだけで1時間を耐える。まさに地獄。
あれほど好きだった絵が、苦痛でしかなくなってしまった。
当然美術の成績は不登校児を除くと最下位。中2の1学期か2学期にはついに5段階評価で1をつけられた。
美術の先生はあきれていた。「ちゃんと登校してる子に1なんて初めて付けたわ」
高校でも美術の授業はあったが、まあ、似たようなものだった。
相変わらず、何も描けなかった。
美術の成績は学年最下位。当然の結果である。
そんなわけで、なんとか高校を卒業し就職した俺は、二度と絵を描くことはないだろうなと漠然と思っていた。
月日は流れ昨日の晩。ゲーム友達と話の流れで絵チャをすることになった。
インターネットブラウザ上の1枚のキャンバスに、参加者が思い思いに絵を描いて楽しむというものだ。
流れとはいえせっかく参加するんだからと、描いてみることにした。
とはいえやはり白のキャンバスに何でも描けというのは無理だったので、みんなが鬼滅の刃の登場人物を描いていたのもあり、診断メーカーに鬼滅のお題を出してもらい、その人物を描くことにした。甘露寺蜜璃ちゃんが出た。
google画像検索で公式画像を適当に漁り、目に留まった蜜璃ちゃんを模写し始めた。
おしゃべりしながら、カタツムリが歩くような遅さで描いていく。
周りのみんなはものすごいスピードで素晴らしい絵を仕上げていく。
でも、不思議と劣等感やらの不快な感情はなかった。
素晴らしい絵を眺めてはしゃぎながら、自分の絵を少しずつ描いていく。
これどう描いたらええんや!などと騒ぎ立ててはテクニックを教えてもらい、少しずつ少しずつ描いていく。
気が付けばそんな感じで2時間ほど描いていた。
楽しかった。とても。
1時には寝ると言いながら、アラームを止めてそのまま描き続けていた。
結局顔の一部しか描けず、出来もお世辞にも良いと言えない物ではあったけれど。
思い返せば非常に楽しく、真剣に描いていた。
「一生で一番真剣に描いたわ」
もう二度とちゃんと絵を描くことはないんだろうと諦めていたのに、思いがけずこのような機会に巡り合い、子供のころの感情を少し思い出せた。
絵を描くのは、楽しい。
これから絵を描く機会があるかは分からないけれど、今日感じた楽しさを、今度こそ忘れずにいたいと思う。
最後になるが、素晴らしい機会を与えてくれた友人各位には心より感謝を。
※画像右上の蜜璃ちゃんと思しきピンクがぽこ作です。アレなので見なかったことにしてください。